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転職者向け 面接ガイド – 第7章
国や地域、企業をまたいで面接を受けると、まるで未知の世界に足を踏み入れるような感覚になることがあります。ある場所では「自信」とされる態度が、別の場所では「傲慢」と受け取られることもあります。雑談を期待する面接官もいれば、すぐに本題に入る方もいます。挨拶ひとつとっても、戸惑うことがあるかもしれません。
・「少し率直すぎたかもしれない」
・「敬称を使うべきだった?」
・「沈黙が気まずかったのはなぜ?」
もしあなたがそう感じたなら、それはごく自然なことです。あなたは今、異文化を少しずつ理解し始めているのです。それは失敗ではなく、異なる職場文化や人々のコミュニケーションスタイルを学んでいる証です。
以下のような行動は、文化を問わず、どの面接でも好印象を与える基本的なポイントです:
・時間厳守(特に時差のあるオンライン面接では、早めの参加が望ましい)
・丁寧でプロフェッショナルな態度
・相手の話をよく聞き、明確に答える
・台本のような熱意ではなく、心からの関心を示す
・自分らしさを保ちつつ、場の雰囲気に配慮する
敬意、好奇心、そして感情的知性を示す行動は、どの文化においても面接官が重視する重要な要素です。
戸惑いやすいのは、むしろ微妙な違いです:
話すペースとトーン
面接官によっては、ゆっくり話し、間を取る人もいれば、テンポよく話し、途中で割り込む人もいます。前者は不安ではなく慎重な姿勢、後者は無礼ではなく効率を重視している可能性があります。
形式の違い
「Mr.」「Ms.」などの敬称が求められる地域もあれば、ファーストネームで呼び合う文化もあります。
意思決定のスタイル
カジュアルな会話形式の面接もあれば、厳密に構成された評価型の面接もあります。
何が標準なのか分からない場合は、面接官のスタイルに注意を払い、必要に応じて合わせるのが良いでしょう。違和感を覚えたら、落ち着いて確認を求めることも大切です。
「迷ったら、少しフォーマル寄りにしておくのが安心です。あとからカジュアルに調整することはできますが、最初からラフすぎる印象を与えると修正が難しくなります。」
バーチャル面接では、異文化間のコミュニケーションがさらに難しくなります。対面であれば伝わるはずの存在感やボディランゲージ、ちょっとした社交的なサインが失われてしまうからです。また、通信環境や背景の整備も重要です。静かな場所で、背景が整っていることは、面接官に安心感を与えます。
対応のポイント:
1. 明確に話す:微妙なニュアンスが伝わりにくいため、はっきりと伝えることが重要です。
2. ペースを一定に保つ:特に英語が母語でない場合は、ゆっくり話すことで相手の理解を助けます。
3. 名前を使って呼びかける:パネル面接や複数人との会話では、誰に話しているかを明確にすることで、やり取りがスムーズになります。
4. 時差の確認を習慣にする:相手への配慮として、時間帯の確認は欠かせません。
5. カメラを見る:アイコンタクトの代わりとして、カメラを見ることで誠実さや関心を伝えることができます。
「文化=国籍」と考えがちですが、実際には企業やチームの雰囲気が面接の印象を大きく左右することが多いです。
たとえば、国内のスタートアップでは、面接がカジュアルな雰囲気で行われることがあります。一方で、海外のグローバル企業では、構造化された面接や階層的な対応が求められることもあります。
つまり、国よりも「文化」がカギなのです。
面接のスタイルが分からない場合は、採用担当者や人材紹介コンサルタントに以下のように尋ねてみましょう:
「この企業の面接スタイルはどのようなものですか?」
「フォーマルな雰囲気でしょうか、それともリラックスした感じですか?」
「構造化された回答が好まれますか?それとも会話形式の方が良いですか?」
推測する必要はありません。分からないことは、準備し、質問すれば良いのです。
文化の違いに戸惑うことがあっても、それはあなたの成長の証です。面接は、あなたの価値や可能性を伝えるための大切な場です。自信を持って臨みましょう。
面接ガイド
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